THORNY PATH


Odai

力の証明



得たものの大きさを知っているか

How with a lunch together? (〜1980後半)




「シン」
 呼ぶと振り向く。
「グリッソムさん」
 伸びっぱなしだという髪が揺れ、零れる笑顔。
 小柄な体も相まって、その姿は少女のようだ。
 シンは地を蹴って駆け寄る。
「待たせたね」
「いいえ。嬉しいです」
 ふふふっと零れる笑顔は愛らしい。
 手を伸ばして頭を撫でる。
「昼を食べに行こうか」
 どこがいい?
「グリッソムさんとならどこでもいいですよ」
 シンの笑顔と共に放たれる言葉。
 だがそれにグリッソムは複雑な表情を浮かべると顔を覗き込み、
「そういうことは誤解を受けるから言うものじゃないな」
 真剣な声で忠告する。
 だがそれにシンは満面の笑みを浮かべると、
「一緒にいたいと思う相手は限られていますよ」
「私はその一人?」
「当然です」
 シンは力強く頷く。
「グリッソムさんは私の恩人で大切な先生でご友人です」
 自慢げに本人に告げると、控えめにそっとグリッソムの指を掴む。
「…じゃダメですか?」
 おずおずと見上げる視線。
 それにグリッソムの唇から笑みがこぼれる。
「ダメじゃない。それよりももっと自信をもってくれてもいい」
「――はい」
 優しい声音。
 それにシンは仄かに顔を赤らめ頷いた。




 二人で入ったレストラン。
 少しトイレと告げて物陰に隠れると、手を振る。
 だがそれだけであるテーブルに座っている男がガクリと体の力を抜く。
「逆恨みって怖いですね」
 グリッソムによって捕まった犯罪者が逆恨みで報復しようとしている。
 その情報を聞きつけてやってきたシンは上手く防げたことに満足げに笑う。




「グリッソムさんを傷つける人は許しませんよ」







何も知らない

だからこそ加護を受けるのだ