Odai法王の憂鬱差し伸べた手をなぜ振り払うのかSimilar things. (1989〜1990)
「どうしてですか?」 純粋に見つめてくるその目は常と変わらない。 だが、いつもと同じな訳が無い。 さっきあんな経験をしている人物が、平気なわけが無い。 手を伸ばして、引き寄せて、抱きしめる。 「嫌いに、なりましたか?」 「なるわけがない」 問いかけにすぐさま否定する。 「だったら…」 「だからこそだ」 この細い肩に自分の人生も背負わせたくない。 「これが無くなったからと言ってオレ達の繋がりは消えない」 「それはそうですけど…」 でも心配なんだと彼は言い、そっと肩に額を置く。 「だって貴方は…」 「彼はオレのことを歯牙にもかけてない」 「…それはありえない」 強く、否定する。 言った自分でさえも「そうだろうな」と彼に同意をしてしまう。 「だが、危害は加えない」 利用し試しはするだろう。 協力を依頼するかもしれない。 だが、あの一族は変に義理堅いから、積極的に危害は加えないだろう。 それは自分も……そして彼も知っていた。 だから彼はどこか悔しそうに声を漏らすと、 「本当に…本当に自分を大事にしてください。お願いです」 「……ああ」 必死な懇願に頷くと、そっと上を向き見つめてくる。 笑みを浮かべて安心させるために背中を叩く。 「だからお前も約束するんだ。体を大切にするってな」 「…はい」 自分もまた告げると、彼は笑みを零した。 一つでも軽くしたい |