Odai甘い節制足りないのは何?Irritation of the loneliness. (1998)
黒髪黒目。 まるで芸術のような、性別を超えた美を持つ人間。 それを無意識で探して、いないと解って落胆してイラついている。 「荒れてるわね」 メーガンを始め、様々な人に指摘されてしまった。 そしてその荒れた原因も勘付いているものだから、変に慰められる。 ……イラつく。 その思いやりが。 そして……そんな声をかけられてしまうオレ自身が。 手を伸ばして今日のランチを口に運ぶ。 が、妙に味気なく感じて顔を上げ――浮かんだ姿が無いことに溜め息を吐く。 「……オレってこんな女々しかったか?」 誰を探しているかなんて一人しかいない。 少し前まで自分の傍にいて仕事をこなし、プライベートでも何故か一緒にいて久しぶりに気心が知れた人間。 シン・グリッソム。 優秀でありながら突然辞めてマイアミ所かアメリカから飛び去ってしまった元同僚。 『連絡するから』 『いらない。…それより自分のことだけ案じてろ』 そう言って見送ったのに……この体たらくは何だ!! 「いつもより眉間に皺が酔ってるわよ、スピードル」 「……解ってる」 上司のメーガンから言われるが、そんなことは自分が一番解ってる。 「…オレって…依存してたんだな」 「シンに? …まあ、態度は違うわね」 あのスピードルが感情を豊かに正直に見せるのはシンの傍にいる時だけだ、というのはマイアミ・デイド署では有名なことだ。 メーガンからそう言われてしまい、スピードルは益々嫌そうな顔をする。 「はい」 すっと差し出される四角。 「…エアメール?」 「貴方に、よ」 メーガンから受け取り四角こと封筒を眺め……見覚えのある文字に目を開く。 「……何で、ここ?」 「仕事上、家に帰って寝てしまうだけってことが多いからね」 気をつかったのでしょ。 メーガンは肩を軽く叩くと、ひらりと休憩室から出て行く。 それを見送ることなくスピードルは封筒を開き、中にある手紙を引き出して開く。 そこには……見覚えのある文字が心配している文章を形作っている。 「……―ー相変わらず…心配性」 だが、それだけで苛立ちが無くなっている自分がいる。 本当に同僚にして相棒、そして友人であった彼が大切なのだと今更ながらに思い知ったスピードルは気まずげに視線を揺らす。 だが僅かに緩んだ頬は全く止められなかった。 いつも傍にいて支えてくれた友 |