THORNY PATH


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La Traviata

その理由と明日へ向けて。
(2004 or 2005?)




「どういうことだ?」
 みんなの視線が集まる中、ブラスが問いかけると、シンは少々言いにくそうに眼を伏せ、
「実は昔、ラスベガスで事件に巻き込まれたことがあったんです。そのときエクリーさんにお会いしてちょっと…やり込めてしまいまして……それから苦手にされているみたいです」
「どんな事件だ?」
 ブラスは記憶から探り出そうと首を傾げるが、シンは笑みをこぼす。
「ブラスさんの顔は見た覚えが無いので担当はしていらっしゃらなかったと思います。それにCSIも出動しましたけど数時間で解決した小さな事件ですから…」
「小さな、ではないだろう」
 背後から来たシンの言葉を否定する声にみんなの視線が移動する。
『主任』
「マック」
 そこにはラスベガスとNYのCSIが誇るリーダー二人が入ってくる。
 シンも顔を上げて微笑む。
「何かありました?」
「……プロフェッサーとミスター・メッサーをホテルに送ろうと思って…」
 それにシンはポケットから懐中時計を取り出す。
「もうこんな時間ですか」
 楽しいことは早く過ぎるとシンは告げる。
 ダニーも時計を見て驚くが、すぐに少しだけ不満そうな表情をする。
 そこから読み取れる感情にシンは微笑ましげに笑いながら肩を叩く。
「今日で終わりというわけじゃ無いから。――すいません。また…明日お話を」
「ダニー」
 シンとマックに言われダニーも頷くと二人は立ち上がると、みんなに握手を交わし今日の別れを告げる。
 そして四人で部屋を出る。
 ダニーの名残おしそうな後姿にマックはいい刺激を貰ったようだと唇を吊り上げる。
「ダニー」
「はい」
「シンの言ったとおり今日だけじゃない。今日は大人しくしていなさい」
「…はい」
 大人しく頷くとシンはそっと顔を覗き込む。
「明日のために美味しいお店で何か食べよう」
「…おう」
「――義兄さん。今日のところは美味しいお店を紹介してくれませんか?」
「…今日のところは?」
 首をかしげると、シンは少し悪戯っぽく笑う。
「明日は義兄さんとプロフェッサーのために何か作りますよ。リクエストは何かありますか?」
 グリッソムもダニーも……そして時々差し入れを持ってきてくれるのでマックも彼の料理の腕をよく知ってる。
「…オレには?」
「ダニーにはいつでも作れるから今回は無し」
 だから考えといてくださいね。
「…それは楽しみだ」
 彼の愉しそうな表情に、グリッソムも笑うとシンの頭を撫でた。








 そして、ラスベガスの愉しい夜が始まる。



(Title:SBY)