MainLa Traviata
ご対面。 (2004 or 2005?) 待ちに待った主任の弟であり天才と名高い心理分析官であるシン・グリッソム。 それがあんっっっっっなに美人だなんて誰が予想できただろうか。 「サンダースさんは何年ここに?」 「グレッグでいいよ」 シンの丁寧な呼び方にグレッグは笑顔で答える。 「捜査官としては最近なんだ。でもその前はDNAラボにいたんだ」 「…優秀なんですね」 ふわりと零れる笑顔に向けられたグレッグ他、通り過ぎる人――男女問わず顔を赤らめる。 「そうでもないよぉ」 グレッグが赤い顔をして謙遜する。 ダニーも見慣れているとは言え、時々ドキッとするくらいだから初対面の人間には仕草一つで見惚れてしまうのだろう。 改めて目の前にいる人物は厄介だという認識を深くしたダニーは思わず溜め息を吐くと、シンの目が向く。 「どうしたの? ダニー」 気分でも悪い? シンが問いかけるとダニーはまじまじと目の前の顔を見つめ、 「お前って…本当に存在自体が毒だよなぁ」 「毒って…そんなに危険かなぁ」 目を伏せて自分を見るシンの憂い顔と漂う色香に周りの目が益々集まる。 もしここが治安の悪い所なら一発で襲われそうな表情にダニーは呆れ、グレッグは思わず納得する。 「主任の弟って言われなきゃ男って解んないよね」 「それ…昔からよく言われるんですけど…そんなに解りません?」 『全然』 合唱での肯定にシンは困ったように笑った。 「この先に休憩室があるんだけど、そこにみんないるんだ」 「みんなって言うと…ドクター・グリッソムの部下…でいいのか?」 「そ。二人に負けず劣らず個性的だよ」 それってどういう意味だとダニーは言ってやりたいが、丁度グレッグがドアを開けてしまう。 「みんな注目〜〜」 「何よ、グレッグ」 「お客さんが来たのか?」 「ウォリック、正解!」 グレッグは軽快に告げると、後ろの二人を紹介する。 「NYCSIのダニー・メッサーと心理分析官のシン・グリッソムだよ」 グレッグの紹介にみんなの視線が集まり……シンの姿を見て絶句する。 シンも義兄の部下を見渡し、 「美男美女だね」 「…だな」 その感想にダニーも同意すると、さり気なく観察する。 どこか自分と似た匂いを受けるウォリックと呼ばれた褐色の肌の男。 真っ直ぐでCSIという仕事に誇りを持った強気な目…同僚を思い出させる黒髪の女性。 表情が豊かで、その仕草や雰囲気に育ちの良さが伺える人懐っこそうな男性。 艶やかなブロンドに漂う色香は男の性を刺激してやまないCSIとは思えない女性。 グレッグという青年も含めて多種多様な存在感をかもしだしている面々にダニーは少しだけ遠い目をする。 一方、ラスベガス面々も二人を観察していた。 キャサリンとは違い、性別を超えまさに芸術と言っていいほどの美を持つ主任の弟であるシン。 雰囲気や眼鏡のにある眼光がCSIや経験ある刑事よりも裏世界を渡り歩いてきた人間を思わせるダニー。 こんな二人が街を歩いていたらその存在感から注目は間違いないだろう。 二人の姿に、NYの他のメンバーもこうなのかとそれぞれ予測を立てる。 ――個性的すぎるな。 NYとラスベガスでそれぞれ同じ印象を抱いているということをシン以外知る者はいなかった。 |