THORNY PATH


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La Traviata

憧れの場所。
(2004 or 2005?)




 キラキラと輝きながらも恍惚な目。
 仄かに赤く染めた頬。
 そんなシンの姿にダニーは若干引きながら室内を見渡す。
 書類の山。
 乱雑に置かれた意味不明なもの。
 ラスベガスCSI主任のギル・グリッソムの部屋…なのだが…とてもそうは思えないと思ってしまうのは失礼だろうか。
「流石、義兄さんだ」
「とても素晴らしいですね」
 シンはともかく、マックまで言われダニーはどんな反応をしていいのか困ってしまう。
「ダニー、見て見て」
「…見てるけど…」
「もっとじっくり見ないと…これなんて世界に有数しかないものなんだよ」
 とても貴重なんだと言うシンの言葉にダニーが覗き込むとシンが至極丁寧に説明し始める。
 生き生きとしたシンの表情に微笑ましく思いながらもマックとの濃厚な談義に熱中する。
「……邪魔になるかな」
 説明に一区切りした所で熱中する二人が目に入ったシンはこそりとダニーに伝え、ダニーも立ち入れないのを敏感に感じ取って同意する。
「……ここにいるのも何だし、歩いてみないか?」
「そうだね。――義兄さん、プロフェッサー」
 シンは二人に笑いかける。
「ラボの中を歩いてみたいんで、失礼してもいいですか?」
「構わないが…二人じゃ何も解らないだろう。誰か呼ぼう」
「いえ…お仕事もあるだろうし…」
 ガチャ
「しゅっっに〜ん」
 良くて明るい、悪くて能天気と表現するに相応しい声がドアが開く音と共に聞こえる。
 それに四対の視線が向くと、幼さがまだ消えない姿。
「…グレッグ」
「えっと…お邪魔でした?」
 グリッソムの視線にまたやってしまったかとグレッグが引き気味になる。
 が、グリッソムは叱咤も何も言わずに溜め息を吐くと、
「…グレッグ、この二人にラボを案内しろ」
「あ、ニューヨークからのお客さんですよね!みんな楽しみにしてるんですよ」
 特に主任の弟を、だが。
「そういうことだ」
「はい。じゃあお二人も楽しんできてください」
 シンはにこりと笑いかけるとグレッグに視線を向ける。
「申し訳ないですがお願いしますね」
「……」
「あの…?」
 シンが不思議そうに首をかしげると呆けていたグレッグは慌てたように頷いて、
「ご、ごめん! えっと…ボクはグレッグ・サンダース。CSIだよ」
「私はシンと言います。彼はCSINYのダニー・メッサーです」
 シンがダニーと共に自己紹介をすると、グレッグが目を見開く。
「シン…って主任の弟のシン・グリッソム!?」
「え、ええ…」
 こんな美人が主任の弟って……マジ!?
 驚愕し硬直するグレッグの表情から手に取るように感情を読み取ったダニーは「驚くよな」とその目に同情の色を見せた。