MainLa Traviata
初めての出会い。兄弟の再会。 (2004 or 2005?) 実際には会ったことは無いが、その姿は写真で拝見したことは何度もある。 「よく来られました。プロフェッサー・テイラー」 「お会いできて嬉しいですよ、ドクター・グリッソム」 著名な二人は嬉しそうに笑いあいながら握手を交わす。 「――義兄さん」 かかる声に主へ視線を向けると、サイズが少々合わない帽子を被った人物がツバを押し上げる。 少し露になる美貌にグリッソムが嬉しそうに微笑む。 「久しぶりだな、シン」 「ええ。メールと電話よりもやっぱり会うほうがいいな」 頬を仄かに赤く染めてシンは笑うと、そっと腕を伸ばして抱き締める。 そのシンの様子にダニーは恋をしているか憧れの人に会うかのような反応だと思っていると、グリッソムの視線が向く。 その視線に気づいたシンは笑いかけるとくるりと回ってダニーの腕を取ると、 「彼はダニー。プロフェッサーの部下で、私の大切な友人です」 シンの笑顔にグリッソムは目を丸くする。 「…君が、友人を紹介してくれるのは初めてだな」 「……マイアミにも一人いるんですよ」 彼もまたいつか紹介したいとシンは告げる。 その後押しを受けながらダニーは一歩前へ進んで挨拶する。 「ダニー・メッサーです。よろしく」 「ギル・グリッソムだ。…シンの友人にあえて嬉しいよ」 「いえ…シンにはこっちが世話になりっぱなしで…」 いろいろとジレンマを抱えているダニーにとってシンの存在はとても心強く頼りにしたことだって何度もある。 ダニーは照れを含んだ笑みを浮かべながらそう告げるとシンを見やる。 シンもそれに笑みを零す。 何もかも覆い隠した穏やかな笑みではない感情の篭った輝かしい笑顔に、シンが心を許す友人であるとグリッソムは密かに安堵の色を浮かべる。 また、ダニーの珍しい反応にマックも微笑ましく見つめる。 だがここでずっと立ち話をするのも何だと、グリッソムは笑顔を浮かべると、ラボへ案内すると誘いかける。 それにシンが敏感に反応する。 「義兄さんのラボが見れるんだ!?」 楽しみだなぁ。 前々から見たくて仕方ないが邪魔になるかもしれないと遠慮していたシンにとって気兼ねなく立ち入ることが出来る数少ない機会。 その念願の願いが叶うことに、彼にしては珍しく興奮した顔を見せた。 休憩室に置かれている一冊の本。 「借りてくるのに随分と時間がかかったわね」 ぐったりと机に突っ伏しているグレッグを見てサラが不思議そうに問いかける。 「いやもう…ロゼに問いかけたら物凄い勢いで語られてさぁ」 シン・グリッソムのことを問いかけた途端に凄い勢いで言われてしまったのだ。 心理方面で知らぬものはおらず絶大な人気を誇るので誰も彼もが会いたくて仕方ないのだと。 また会っても誰もが彼を考慮してどういう人間か語ることは無いのだと言う。 「ただ、見たら絶対に忘れられないんだってさ」 もうそれを必死に語られて何とか言いくるめて必死で帰って来たのだという。 「……なんか疲れちゃった」 「そ、それは大変だったわね」 いつもクールな彼女がそんな激しくなるなんて……絶対に予想できない。 「じゃあ、会うのやめる?」 「それは嫌!」 あのロゼががあんな風になる人物を見てみたいじゃんか!? 確かにね。 グレッグとサラは益々強大になった興味ににんまりと笑いあった。 |