MainApe regina
シンのフラックとステラとの出会い。 (2003) シンがCSIメンバーと正式に会ったのは、フラックに勘違いされてから結構経った後。 事件が解決して早く終わったのとシンが近くに来ているということで市警の傍で待ち合わせ。 署の傍に佇む人影。 「シン!」 背後から呼ぶ声に振り向くと、駆け寄ってくる姿。 それに、笑う。 「ダニー」 「悪い! 待ったか」 傍まで来て問いかける姿に笑みを零す。 「ううん。今来たところだよ」 「仕事は?」 「丁度終わったよ。依頼人は一気に所長のファンになったみたいだし」 「…モテるもんな。あの人」 外見も言いし、性格も誠実だ。 ただ唯一…どんなに簡単でも…壊滅的な味になってしまうアレさえなければ、だが。 ダニーの考えていることを察したシンも少し苦笑を浮かべる。 「あら、ダニー」 「今帰りか」 その時、かかる声。 ダニーがそれぞれに視線を向けると、フラックとステラの姿。 「……そっちは今終わったのか?」 「ああ。さっき…」 ……… 「? おい」 何黙ってんだよ。 ダニーが胡乱な視線を向けると、絶句したフラックの姿。 その視線はシンを見ている。 ……そりゃ、そうなるわな。 自分の場合を思い出しながら、ダニーは一つ溜め息をこぼした。 フラックが勘違いしたのは酔っ払ってたのと、シンが殆ど背中しか見えなかったので。 背中の線や顔の一部で女性だと勘違いしていました。 フラックが言葉も忘れて固まり、まるで時を忘れたかのようにダニーの連れに注がれている。 まあ、気持ちは解るわ。 ステラは先ほど見とれてしまった、ダニーの連れである人物を観察する。 さらりと揺れる黒い髪に吸い込まれそうな黒い瞳。 体の線も容貌も中性的で人間性や男女のこだわりなどを一挙に払拭させる絶大な美がそこにあった。 ステラの視線に気づいたのか、それはゆっくりと彼女へと視線を向け、 ふわり 綺麗に笑う。 「CSIの方ですか?」 高くも低くも無い声が響く。 「ええ。私はステラ・ボナセーラよ。こっちは刑事のドン・フラック」 「ボナセーラさんにフラックさんですね。私はダニーの友人でシンと言います」 始めまして。 そう言ってステラと握手を交わす。 だがフラックは未だに固まってしまっている。 「フラックさん?」 首をかしげ、顔を覗き込む。 途端、フラックの肌に赤みが増し、慌て始める。 「…な、何…」 「大丈夫ですか?」 顔が赤いですよ、とシンが言うと、フラックは何でもないと首を横に振る。 「シンが近づくからだと思うぞ」 「私が?」 ダニーの声に解っていないらしいシンが首を傾げる。 それにステラも内心で同意するが、疑問に思っていたことを聞くために口を開く。 「…一ついいかしら」 「はい。何でしょうか」 「性別を教えてくれるかしら」 ステラの質問にパチクリと瞬きを数回繰り返すシン。 「…あの…もしかして私って性別が解りにくいのでしょうか?」 「失礼かしら」 「いえ、全然。ただ…よく問われるのでそうなのかなと思いまして…」 笑うシンの姿を改めてみて……ステラは頷く。 「そうね。少し解りにくいわ」 「そうですか……私は生まれたときからずっと男です」 シンの言葉にフラックは複雑そうな表情を一瞬し、周りにさり気なく様子を伺っていた警官たちも半分以上が落胆の色を見せる。 シンはその空気を敏感に勘付いたらしく、困ったように目を伏せた後、 「あの…男だと何か問題でもあるんでしょうか?」 黒真珠のような瞳を見上げた途端、全てを魅了する色香が流れる。 それに…男だと解っていても性別問わず、誰もが見惚れてしまう。 「…そういう訳じゃないの。気にしないで」 「そう…ですか?」 「そうよ」 「――良かった」 シンの問いかけにステラが頷くと、ふわりと嬉しそうに笑った。 このシンは敬語と笑顔を浮かべながらも観察し、警戒中。 シンは一部を除いてある程度人柄などを見抜いてから心を開くかどうかの判断をします。 (Title:SBY) |