Mainscrittore di razza
マックからの勧誘。 (2003) マックは一度シンを勧誘したことがあるという設定で。 ダニーの情報とシンの自己紹介により、ギル・グリッソムの義弟であり『あの』シン・グリッソムであることを知りました。 経歴(養子に入ってから探偵になるまで)も知って優秀な分析官であり捜査官であったことから惜しいと思い勧誘。 だがシンはそれを丁重に断っています。 「――申し訳ありません」 丁重に下げられる頭。 そこにふんわり浮かぶ笑みは申し訳なさそうだ。 「私は、今の職がすきなんです」 「CSIは嫌いだったのか?」 マックの問いかけにシンは否定する。 「いいえ。とてもいい場所でした。上司も同僚も優しかった」 でも、とシンの表情に諦めたような色が浮かぶ。 「私自身の性質が…ダメでした」 「性質?」 マックの問いかけにシンは目を細める。 「貴方なら勘付いていらっしゃるでしょうが……私はダニーと近しい存在です。いや…それよりも性質が悪い人間です」 犯罪に詳しいということは強みだ。 だが、その意識のズレは自分を圧迫して蝕む。 「私はそれに耐え切れませんでした。だから今の探偵としての方が気があっているんです」 だから貴方の勧誘には頷けないとシンは告げる。 その全てを飲み込みながらも揺らがない眼差しに説得は無理だと悟る。 「残念だ」 「――そう思ってくださってありがとうございます」 マックの言葉にシンは感謝を告げる。 「ミスター・グリッソム」 「シンで結構です。プロフェッサー」 「――シン。ダニーを支えてやってくれ」 近しいから、一度挫折したからこそ自分が解らない所を解るのは彼だろう。 マックがそれを告げると、シンは「勿論です」と笑う。 「私は今もこれからも…友人としてダニーの味方であり続けるつもりです」 てな感じ。 だけどシンが「クリムゾン・ファング」とは知らないので、彼は世界と引き金該当者を天秤にかけても該当者を選ぶ人間であることまでは気づいていません。 「ちょっと…残念だな」 マックからの勧誘に断ったと言うと、そんな感想がダニーから聞こえてくる。 「安堵、じゃないの?」 そう言われることは意外だったので首をかしげる。 「だってお前優秀じゃないか。…一緒に仕事してみたかったなって」 心理分析官であり捜査官であったシンはとても優秀であったと聞いていたから興味あったのだ。 「それに楽しそうだし」 「…そう豪語できるのはダニーとティムだけだよ」 シンは苦笑を浮かべながらダニーの顔を覗き込む。 「私は上司泣かせだから」 裏世界での倫理観と無茶を繰り返していた。 「それに一度価値観に耐え切れなくなった人間は難しいよ」 「…そうか」 ダニーは手を伸ばして漆黒の髪に触れる。 「…少しでも続くように頑張るよ」 「大丈夫。ダニーは私が支えるよ」 近しい位置にいる二人はそう言って笑った。 「辛くなったら探偵と言う手もあるしね」 「…そん時にな」 (Title:SBY) |