THORNY PATH


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行方知れずのコウノトリ

メーガン休職の裏側での出来事と真意と葛藤
(2002)




 メーガンの夫(ヴィル・ドナー)が死亡。
 それに精神的ショックを受けたメーガンは半年休職。
 だけど責任者不在のままとするわけにもいかないというこで爆発処理班のホレイショが就任。
 たぶん、ホレイショは刑事かCSIの経験があったんではないかなぁと思っていたりしています。
 ホレイショは自分のかつての弟子であるカリーとその活躍から引き抜いたデルコをCSIに引き入れます。

 そこらへんの事情での鬱憤がスピードルは溜まっていきます。
 ホレイショの無愛想な自分を受け入れてくれる器の広さも能力も申し分ないし信頼できると冷静な部分では思うんですが、メーガンの席を奪い取った形というので心が受け付けにくい。
 それでカリーやデルコともぎこちなさが続いていきます。
 スピードルのそのストレスなんかはシンと電話したり会ったりして晴らしていきます。
 シンもメーガンの休職という事態から起こりうることにスピードルの状態を心配して頻繁にマイアミへ行ってはスピードルといたり、またメーガンと話したりしています。
 この期間中にダニーとスピードルは電話越しですが互いを知ります。
 二人ともシンを癒しにしていますが、シンに負担はかけさせたくないという配慮から何となく互いで互いの愚痴を言い合うように。
 シンにとってはいつのまに?という感じ。


***


 スピードルの自室に滞在しているシンが少し席を離した隙に、聞こえてくる声。
 一つは直接届く声にもう一つは機械越しの漏れてくる声。
「……いつのまに仲良くなったんだろ」
 妙に息の合った様子にシンは目を見開き思わず呟く。
 同じ警察という立場だからだろうか。
 それとも鬱憤をただ吐き出したいだけだろうか。
 愚痴はエスカレートしていく。
 シンはそれに割り込むのもどうかと思い暫く様子を伺っていたが、蚊帳の外に少し寂しくなる。
 ――ちょっと我が儘かな。
 自分が気を許す相手二人が仲良くなるのは嬉しいことなのに、そう思ってしまうなんて。
「ティム、ダニー」
 呼びかけるとスピードルの目が問いかけ、ダニーが電話越しから問いかけてくる。
「二人だけ話し合うなんてずるいな」
 顔も声も寂しそうな姿に、二人は数秒の沈黙後笑い声を漏らす。
「な、何?」
 その息のあった感じにシンは嫉妬と困惑の入り混じった表情で問いかけた。


***


 二人とも家庭環境も根底の性格も違うけど、同じNY出身だし他者に中々警戒心が強いという点もある。
 何よりシンが心を許した存在。
 二人ともシンを大事な友人だと思い、また自分を試みないやり方に心配しているもの同士なので結構すんなり気があいました。


***


「ティム」
「…何だよ」
「私はヴィルさんが死んだ時、メーガンさんは辞職するんだと思ったんだ」
「…シン」
 スピードルの見開いた目がシンを見つめ、シンの目がスピードルを見つめる。
 自分とは違う吸い込まれそうな美しい目にスピードルの視線が泳ぐ。
「だってあの二人は……有名になるくらい愛し合っていたから」
「…ああ」
 脳裏に浮かぶ二人が寄り添い笑い会う姿。
 それを遠くからでも近くからでも見ている時は、楽しくて優しい時間だった。
 だけどその時間を作る半分が失われたとき……もう半分が無事で済むはずはない。
 だからあの時…本当は…
「――シン。オレは……ガキだな…」
「誰だって師のことには感情的になるよ」
「お前もか?」
「…うん」
 シンは過去を思い出してか少し寂しそうに笑うと、そっとスピードルを抱き締めた。


***


 ここでのスピードルは、メーガンが辞職だったら割とすぐにホレイショ達を受け入れたのだと思います。
 マイアミ・デイド署でも有名な夫婦だったので、彼女が辞職を決意すれば納得し受け入れた。
 だけど休職ということに彼はきっとメーガンは復活してくれると希望を抱いており、できれば前と同じポストでいさせたかったという思いが強いんです。


 シンのNYとマイアミの往復はエイデンの復職まで続きます。



(Title:SBY)