Main仰せのままに
NYで生じるダニーとシンの出会い (1999) シンがファルシンと出会ったのは辞職から十ヵ月後のD.C.で。 ファルシンは調査の為に。 シンは国外放浪からアメリカ国内の放浪へと変えた時。 その時の事件でファルシンと協力し解決したことによって、シンはファルシンに探偵にならないかと誘われ、アメリカ中を回った後でいいならと約束。 二ヶ月の間、アメリカ中を回った後にNYへ。 高いビルが並ぶ、まさに都会と呼ぶに相応しい光景。 NY。 ここに、あの人がいる。 自分が運命的とも言える出会いと驚くべき運命を握ってしまったあの事件を共に解決した探偵のあの人が。 深呼吸を一回すると、肩にぶら下げている鞄から紙を取り出す。 そこにはあの人が探偵事務所を開いている住所だ。 地理は頭に入っているから大体の場所は解るし、誰か人に聞けば場所は教えてもらえるだろう。 悲観的では人生やっていけないことを身をもって知っているので、小さく気合の声を上げると、目的に向かって歩き出した。 だが間もなく、 「動くな!」 人気の無い路地裏で首元に冷たい刃物。 そして前方には制服の警官。 耳元で怒鳴るのはまだ若い男だ。 「動いたらこいつを殺すぞ!」 男は怒鳴る。 それに五月蝿いと思いつつも刃物を突きつけられたことに動揺もしないシンは、警官が気になった。 今少し感情的な前方にいる警官。 その目には理知的なものを宿していることから頭はいいだろう。 だがそれよりも気になったのは、警官の雰囲気だ。 警官と言えばどんなに悪徳でも割と育ちがいい場所なのが多い。 だが、目の前にいる警官は雰囲気が、見る目が、違う。 妙に闇を…あちら側を当事者に近い場所で知っているものだ。 そして警官でありながら彼が立つ位置は… 近いな。 妙にそう感じた。 一応、それがダニーです。 その時はまだダニーは警官。 有能ではあるんですが、その価値観や倫理観。 独りで勝手に行動する所で割りと問題児とされています。 男を追いかけたら、逃れられないと思ったのか偶然通りかかった少年にナイフを突きつけた。 年齢は…多く見積もっても20くらいだろうか。 細い体に少し汚れて着古した服。 漆黒の髪は無造作に伸ばしており、きちんと見えているのかと思うほど前髪が長い。 だが、その少年はナイフを突きつけられているというのに全く動揺していない。 それはただ事情が解っていない馬鹿なのか、取り乱すほどでもないことなのか……。 後者だな。 直感的にそう思う。 堂々とした感じもあるが、何より、彼の漂う雰囲気。 雰囲気が、友人として遊んでいた連中よりも格上の存在だと一瞬で解る隠そうとしても隠せないものがある。 …さて、どうするか。 「あー。忠告するが、さっさとその人質離した方がいいぞ」 「うるせぇ! そんな脅しに乗るか!」 うわ、聞く耳持たねぇ。 ……よし。 「あー人質の人。適当にそいつ捕まえてくれ」 「解りました」 少年が答えたかと思うと手にしていた杖が男の鳩尾を打つ。 その痛みに男は蹲る。 だが最後の足掻きか、その拍子に少年のシャツを掴むと、もともと寿命が近かったらしいそのシャツが肩から破ける。 少年は動じることも無く破けたシャツを眺めたが近寄るダニーの足音に気づいたらしく、 「どうぞ」 少年がこちらに笑顔を向ける。 一切動じた様子が無いそれに感心しながら手錠をかける。 「悪いな。助かった」 「いえ、貴方に怪我が無くてよかった」 「オレは怪我のしようがないだろ。それよりお前も来てくれるか。一応調書取りたいんだ」 「はい。解りました」 男を立たせながら言うと、少年は笑って素直に頷いてくれた。 (Title:SBY) |