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シンの髪。マミアミ編 (1995) 「……美味い」 ぽつりと漏れる感嘆の声。 それに嬉しそうに笑う姿。 「良かった。気に入ってくれて」 シンの魅了する笑顔だがそれを見ずにスピードルは手にあるドーナッツを食べる。 「こんな所があるなんて知らなかったな」 署から近かった場所にあったのに全く知らなかった店にスピードルは悔しそうに言う。 「かなり入り組んでいるんだから仕方ないよ」 目だった場所にないこの店は正に隠れた名店だ。 スピードルはいつもより機嫌よくドーナッツを次々と手にしていく。 シンはそれを嬉しそうに笑ってスピードルを見る。 無造作に伸びっぱなしの髪を一つに纏めただけの頭だが、それでもその美によってか物ぐさに見えないのが不思議な姿は髪が長いだけに益々女性らしく見える。 そしてまた、 「それ、一口頂戴」 「ん」 差し出されるドーナッツにシンはかぶりつく。 「ん。美味しい」 シンが嬉しそうに笑い、スピードルはぺろりと食べていく。 そんな名店を発見し常連となった客達から美男美女のカップルだと思われていることに二人は気づいていなかった。 マイアミでシンは色々忙しい日々もあって、大体伸ばしっぱなし。 面倒になって前髪分けたり結んだりする技術も会得したので放っておく期間が長い。 ので、女性っぽく見える確立も高かったりしました。 シンが少し席を外したりすると「素敵な彼女ですね」とか言われてどう見られているのか解ったスピードルは一気に不機嫌になりそうです。 「どうしたの? ティム」 「…お前女に見られてるぞ」 「え!?」 シンは目を瞬かせると何で?と首を傾げる。 「…胸無いのに」 「言うのはそこかよ」 胸の有無よりもその美と色香に問題があるのだ。 それによって彼の体は細くか弱い人間に見えるのだ。 「おまえ自身詐欺だよな」 「…そうだね。でも、それで義兄さんやティムを護れるならいいよ」 ふわりと浮かぶ柔かな笑みと口説き文句のような言葉にティムは思わず額に手を当てた。 |