Main博愛イエスマン
グリッソムとシンの出会い。 師が死に、シンがグリッソム家に養子に入るまで。 (1983?〜1990) シンがギルと出会ったのは9か10の時。 ギルはその頃カリフォルニア州にいました。 偶の休日に昆虫採集に来ていた先でシンと遭遇。 シンは師がちょうど所用でいなかった所を虫でキャッチ&リリースしていた所でした。 小さな手が伸び、ゆっくりと包み込む。 だがその手はすぐにそっと地面に離す。 普通なら慌てて逃げる敏感であるはずのそれは、ゆっくりと舞い、去っていく。 不思議な光景だ。 森が、虫が、人間の子供を受け入れている。 今まで見たことの無い光景に惹きつけられるように足を踏み出すと、小枝が折れる音。 それに子供はこちらへと振り向き…… 笑った。 互いに人を観察するのですぐに他者とは一線引いているのだと解ります。 だけどどんな虫でも互いに好きなので、昆虫採取しながらギルの講義を聴いて過ごします。 それから別れましたが、翌日、師弟が偶然事件の第一発見者に。 そこで再会し、シンの環境を知ります。 「…辛くないのか?」 「辛い、ですか?」 きょとんとした顔。 「そんなの思ったこともありません。私は全て承知で師の元に来ました。確かに色々大変ですけど…息が詰まることはありませんし」 シンは笑う。 そこには一切の嘘はない。 「それに、師が手を差し伸べてくれなければ、こうやってグリッソムさんとも話せませんでしたし」 だから感謝しています。 そう言って、彼は嬉しそうな笑みをグリッソムに向けた。 眉をしかめますがシンが至って平気そうだし、頭が良く知識も高いので、結局頭撫でただけ。 別れ際にグリッソムは本を幾つか上げました。 本を読む機会も手にする機会も少ないシンは喜び、ギルに礼を言って別れました。 それからはお礼の手紙を始め、一方的ですがシンは手紙を出していきます。 また近くに来たら師の目を盗んで会いにいったり。 シンにとって自分に同情的な言葉を吐かず、師と一緒に行くことも否定しなかったのが嬉しかったので。 ギルにとっては自分がどんな態度をしても誤解せずに受け止めて理解してくれるので絆されます。 師はシンが自ら手を伸ばした相手だったので連絡を取ることに関しては黙認。 自分が使う連絡網を少し貸したりします。 ですが会いにいく場合はノルマを課したりして不器用ながらに育てたり。 30歳からギルはラスベガスへ。 シンはそれを聞いて師から許可を貰いながらギルとの交流を続けていました。 ギルが31歳、シンが13歳の時にギルがエクリーと険悪になる事件が発生。 シンはその時にエクリーに会いました。 ブラス刑事はまだその時、ラスベガスには来ていませんでした。 シンは一応その事件でエクリーにやり返すことが出来たので、後は普通に接しますが、エクリーはシンに苦手意識を持ちます。 そしてシンが16歳でギルが34歳の時に師が死に、それを聞きつけたギルが急行します。 「私の子にならないか?」 師が死んだ。 師の知り合いや各先で出会った人に手紙を出したら、駆けつけてくれたグリッソムさんがそんな申し出をしてくれた。 「えっと…グリッソムさん独身ですよね」 「ああ。…そうだが?」 「ならダメですよ。独身で子持ちにする訳にはいきません」 シンは首を横に振って否定する。 その目にはありありとグリッソムを心配しているのが解る。 「別に結婚する予定は無いしな」 「今はいなくても後にあるかもしれません。その時に私が迷惑をかけるのは嫌です」 「だが、最低限後見人は必要だと思うが?」 「それは…そうですが……でもグリッソムさんに迷惑をかける訳には…」 迷いながらもそこはきっぱり否定すると、グリッソムは思案するような顔つきになる。 そして、 「少し付き合って貰えるか?」 「? はい、いいですけど…」 どこ行くんですか? シンは首を傾げて問いかける。 それにグリッソムは特に何も答えず、車に乗り込んだ。 その後、シンはグリッソムの母親の元へ。 グリッソムの母親は寛大そうだし、シンの姿見て気に入りそうなので、息子からシンを養子に入れてと頼まれてあっさり快諾。 手話を勉強して会話の中身を知っているシンは慌てて「そんなの悪い」とか「迷惑かける」とか言って何とか回避しようとするんですが、母親に弱いシンは受け入れます。 そして優しい母親の手にうれし涙を流してしまいます。 その時から彼は「シン・グリッソム」になり、とにかくグリッソム家が第一優先となります。 そしてグリッソムに誘われ、学校生活中はグリッソムの所に居候させてもらいました。 (Title:SBY) |